猪を解体してジビエ肉を食べてみた(鹿、熊の追記あり)
一昨年末、おかんの知り合いの猟師さんから子猪が獲れたのでどう?と連絡を頂いた。
解体されたものを想像していたら、一匹まるまる貰ってきた。
まだ子猪とはいえ、なかなかの大きさと重さ、とても冷蔵庫には入らないので早速解体。
※続きを読むをクリックすると、解体時の生肉の写真があります。
人によっては刺激が強い写真かと思いますので、そういった写真が苦手な方は申し訳ありませんがお控えください。
猪肉の解体
ドーンとまる一頭分の猪肉、中抜きまる鷄や魚は捌いたことがあるがさすがにこの大きさは今までにない経験だ、とりあえずどこから手をつけるか悩む。
とりあえず後ろ足から外し始める事にする。一人が足を持ち、我が関節部を探しながら包丁を入れる、当然骨は硬く包丁が入らないので、肉の脇から指先に力を入れ、なんとなく関節の位置を探る、その関節の軟骨部を目指して切り進む。すると思ったより包丁も入り解体作業は割とスムーズに進んだ。
前後の足を取り外すと、次は背骨とあばら骨の分離だ。これは先にあばら骨を一つずつに分けるように包丁を入れ、それから関節部を逆に折る感じでバラしていった。
解体中も、なんとなく生物としての形がわかるのでグロテスクと言えばそうかもしれないが、スーパーのお肉だって誰かが解体したものだし、肉料理を食べるということはそういうことだから我はあまり気にならない。若い個体で処理も上手にされていたので、血も少なくスムーズに進む。
写真は大方の解体終了後の肉の一部 あまりの肉の量に用意した大金ダライでも全然場所が足りずに解体の終わったものから、大きなビニール袋に詰めて近所の人に配られていったのだ。
大まかな解体後は場所をキッチンに移して、精肉していく、こういう作業をしていると、動物とは精巧に合理的にできているものだとちょっとした感動がある。
力が必要なところは筋肉がしっかり有り骨も太い。関節は適切な角度と向きに曲がり、骨同士は軟骨でうまく接合されている。その姿はグロいというより美しいと思えてくるね。
猟師から頂いたジビエ肉を食べてみた
まとまってお肉が取れるところは冷凍に回すとして、取り敢えずアバラ骨周り(スペアリプ)から食すことにする。 結果から言えば必要なかったが、一応下ごしらえとしてたっぷりのお湯で湯どうししてみた。
これも写真で見るよりずっと骨の一本一本は大きいが、、ここまでくればすっかりお肉だ美味しそうな香りが漂う。
あばら骨を適当な大きさにに折り、玉ねぎとすりおろし生姜で、甘辛めに煮て、スペアリブ丼にしてみた、見た目が地味なので温泉卵とパセリをトッピング。なかなか美味しそうな見た目になった。 味はどうかな?
猪肉の味わい
味の方もバッチリ!猪は硬いお肉を想像していたが、すごく柔らかく美味しすぎる。臭みも全く無く下ごしらえは必要なかった感じだ。若い個体というのが要因の一つだろうか。あまりに量が多いということでご近所さんに大量に分けてしまったのが勿体無いくらい美味い! まあ猪は豚の原種だからよく考えれば子豚のようなものだ、そりゃあ美味いよね。
次に鹿を頂いた
猪のお礼を伝えて、またありましたら是非とお願いしたら、次は鹿肉を頂いた。
しかも今回もすごい量だ、数百g単位じゃなくてKg単位 7、8kgくらいだろうか、ネットで調理法を調べると鹿肉は脂肪分が非常に少なく、肉にサシが入らないから硬いらしい。とりあえず薄く切って焼いてみた。
フライパンに入れてジュッと焼き始める時に、特有の香りがする、おいしい肉の香りに混じって獣っぽい野生的な香り。
火が通ってからモヤシを加え、出汁、砂糖、醤油、焼き肉タレでざっくり味付けてみる。仕上げにゴマなどふって食べる。
鹿肉の味わい
ん!硬いっ 先日食べたイノシシと正反対。
が、噛むと味がよく出てこれはこれで美味しい妻も好みの味らしい。試しに焼いた量が少なかったのもありどんどん無くなる。
何というか肉質が牛タンのような感じで弾力がある。カルビの厚みで焼いたら噛み切れないだろうが、薄くスライスするとちょうど良い感じ脂質が少なくほぼ完全な赤身肉なのでその辺が影響しているのだろう。
ただ若干この肉は獣の香りがあるね。成体だからなのか性別によるものかは分からないが、焼くと少し獣臭さが出る。しかし、最初は思ったその香りも、食べているとすぐ慣れてそれはそれで味わいあると思えてくる不思議。
もし気になるのなら、下のレシピの様に一度圧力釜を掛けてから調理すると、肉の硬さも獣の風味もずいぶん抜けて食べやすい。
ジビエ肉のレシピ
どちらもたくさんいただいたのでいろんな料理にして食べてみる。
猪は、牡丹鍋、焼き肉、炒め物などに、豚よりも脂が少ないけれどプリプリして脂肪の部分は豚よりも美味しい。
鹿肉は硬さがあるので調理には一手間必要かな、焼きなら薄くスライス(半解凍で)
中でも特に美味しかったのは、圧力鍋で20分ほど加圧調理して作ったビーフシチュー(鹿だけど)、あんなに硬かった鹿肉が口の中でホロホロに煮くずれしていき、高級な店の牛タン丸煮シチューみたいだ、これは沢山食べれてしまう。
ネット検索しても料理レシピは少ないけれど、どうも鹿肉は脂質がほとんどないので、塊の牛タンの様な調理がちょうど合う感じですね。
ジビエ肉を食べる時の注意点
どちらのジビエ肉にも言えるのですが、時折仕留めた時の散弾が入っています、調理時によく見てもなかなか取れないので、時折食べている時にガジッと(笑) 飲み込むと鉛中毒の恐れがあるのでよく噛んで食べましょう(最近はステンレス散弾もあるらしいですが)ジビエ肉ならではですね。
あとこれはジビエ肉に限りませんが、よく火を通して食べましょうね。
年が明けてからまた両方追加でいただいので、我が家の冷凍室にたくさんストックされました。美味しいレシピできたら又紹介します。年が明けてから頂いた猪はやや大きい個体、同じ昨年生まれらしいが2ヶ月分成長したらしい。硬くはないがしっかりとした肉質になっていた。親猪も食べてみたいなぁ。
今度は熊肉がやってきた
2016.2.16追記
今年もいろいろなジビエ肉をいただきました。
最初にもらったのは熊肉(つきのわぐま)個体としては大熊ではないのですが、元が大きいですからね前後後一つずつでかなりの量のお肉がありました。写真に写っている我家のまな板ってよその家のものより大きいのですが、熊の足が大きすぎてまな板が小さく見えますね。
解体は何と言っても骨が大きく、ちょっと大変でした。ぶっちゃけ大人の大腿骨くらい有りましたから普通サイズの生ゴミの袋では飛び出してしまいます。とても人力では二つに折れないし、人骨かっ!と誤解を生むといけませんから、大きな袋を用意して表から見えないように入れました(笑)
熊肉も臭みが強いと言いますが、多分頂いている漁師さんの処理がかなり上手なんでしょうね、ほとんど臭みのない美味しいお肉です。ラム肉なんか結構いい肉でも獣くさいじゃないですか、全然あんなことのない食べやすいお肉でした。
しかし若干硬いので料理を選びますね。このお肉が硬いというより、家庭ではスライスの薄さに限界があるからですね。家庭でしゃぶしゃぶ用のお肉のように薄く切ることは難しく、薄く切ったつもりでも厚切りカルビ肉くらいの厚みですから、どうしても硬く感じてしまうのでしょう。
ですのでこれは圧力料理が向いてますね。ネギのっけて塊肉のまま単品で20分ほど圧力釜にかけて一度茹で汁を捨てます。その後はスライスして温しゃぶ風でもいいですしし、カレーやおでんなどの煮込み料理に入れてもかなり美味しいです。
頂きものなのでお肉代が気にならないのと、冷凍庫を圧迫する関係でもう入らないお肉大盤振る舞いのカレーなんてかなり美味いです。
成体の猪肉
以前頂いた若い猪肉と違い、確かに肉質は硬いが、味は濃い感じがして美味しかった。薄切りがやはり難しいが、豚肉の調理と同じ様な食べ方で問題ないよ。
ジビエ肉のお値段
お礼にお菓子なんかは持ってくこともあるが、ほぼ無料で大量頂いているお肉たち、もし買うといくらくらいするのかちょっと調べてみた。
こちらによると、どのお肉もかなりいいお値段なんですね。びっくりしちゃったよ。
子猪の腕は高く100g千円程度、大人の猪なら部位により100g300-800円といったところ、鹿は比較的お安くて100g150-500円でしょうか、しかし何キロもの塊でヒョイと貰うってすごい贅沢してたことにびっくりです。
中でも熊肉なんて高級和牛並みだよ松坂牛切り落としが100g800-1500円くらいに対し、熊肉100g900-1300円、部位にもよるだろうし一概に比べられないだろうがびっくり価格ですな。 値段を知るとより美味しく食べれてしまうかも?(笑)
ハンターの実体験漫画、派手ではないし絵も下手だけど内容も豆知識も面白い。
狩猟免許が取りたくなる一冊!手にした事なければ是非お勧めします!
こういう肉をさばいていると、包丁では刃厚や剛性、長さなど不満か出るのでしっかりしたナイフが欲しくなりますね、力を入れることもあるのでガッチリしたものが欲しいです。